私は驚きのあまり

声も出ず・・・


「な、なぜ貴方がここに・・?」


と、やっと搾り出した時には

彼はフロアーを横切って

カウンターのほうに消えた。


<何故、ここに彼が・・?

偶然のわけがない・・・!>


私は背筋に凍るものを感じた。


そこに苗場さんがやってきた。

「ごめんよ。実麗。

待たせちゃって・・・

注文したかい?

わからなかっただろう?」


そして、給士を呼んで

すらすらと慣れた様子で

料理の注文をしていった。