叶野は込み上げる怒りを

かろうじて我慢した。


こんな事をしている場合じゃない。


早く葵を連れていかなければ・・


「おい!お前、

面は割れてないんだな?

今話してる時間はない!

すぐに行かなきゃならねえとこが

あるんだ。

黙って付いてこいや!」


そう言って部下に急いで

車を廻させた。


「何だよ!

俺はサツでもどこでも

行ってやらあ!」


怒鳴る葵の襟足を掴み

引きずるように車に

勢い良く放り込んだ。