叶野は大きくため息をつき

凄みのある声で聞いた。


「おい。葵!

なんで間宮の坊ちゃんを

刺したんだ?」


「俺は、逃げる気はねえよ。

務所に入ってやらあ!

アイツが裏切ったおかげで

親父の儲けはパーじゃねえか。

ふざけんじゃねよ!

あんな腑抜け野郎!

死んでねえのか?」


叶野はいきなり

凄い形相で葵の顔面を

蹴り倒した。


「俺がいつそんな事しろって

言ったんだ!

てめえは何やったか

わかってんのか!

調子に乗ってんじゃねえ!」


思いっきり後ろに倒れた葵は

グッと叶野を睨みつけ


「褒められても殴られるとは

思わなかったぜ!

親父だってムカついてんじゃねぇの?

間宮に歯向かえないだけだろ?

親父も腑抜けじゃねえか!」