その時、私の目は見開き

思わずメニューを落として

しまった。


「あ、あ!貴方は・・・!」


男は丁寧にお辞儀をして

微笑んだ。


「ワインがお好きなんですね?

そこにはない

特別お二人に用意させて頂いてる

ワインがございますので

それをお持ちしましょうか?

苗場様。」


そこに立って私を見下ろして

優しく微笑んでいるのは

紛れもなく給湯室で

言葉を交わした二ノ宮君

その人だった