横で聞いていた亜美が

苗場に向かって言った。


「苗場さん、

私はまだ会社にいるんだから

帰って来られるのを

お待ちしています。

お元気で・・・!」


「そうだな。

君には公私共に随分

世話になったから

帰ったら早速食事に誘う

約束をしよう。

それまで、待っていてくれ」


亜美は苗場を

尊敬と愛情の眼差しで見つめた。


そうして、

苗場が搭乗口に消えるのを

三人で姿が見えなくなるまで

手を振って見送った。