苗場は迷わず間宮の元を

尋ねた。


「苗場さんがお見えです」


秘書がそう告げた。


間宮は母から概ねの事情を

聞いていた。


「入ってくれ。

君には光が色々迷惑をかけたそうだな

申し訳ない。

婚約者の方は大丈夫か?」


「はい。

今日伺ったのはその事ではなく

光君から預かった物のことです」


「それは君の好きにすればいい」


「いいえ、光さんの罪の呵責で

これを頂く訳にはいきません。

男の意地です。」