光はそう言い切る実麗を

苦しいほど切なく感じた。

ずっと押さえてきた感情と

愛情の交錯の中で

抱きしめて唇を合わせた。


今までにない長い長い

愛しさを込めたくちづけだった


7年の時を超えて

二人はやっと重なった。


病室のドアの向こうに

一人の男がいた。


苗場浩一郎、その人だった。


<俺は負けた・・・

お腹の子の父親になる覚悟が

できない俺は

アイツに負けた・・・>


そうしてそっと病室を後にした。


苗場にはもう一つ

大事な仕事が残っていた。