「あの頃、お母さんは

他に好きな人がいて

私達には目がいってなかったの

子供心に気づいてた。

それなりに愛情はくれたけど

私は凄く寂しかった。

お姉ちゃんは年が離れてたし・・

コロだけが私をわかってくれた。

そして貴方と・・・

そんな田舎が嫌で東京に出たけど

私はいつも孤独だった。

たとえ婚約者がいても・・・」


実麗はまた、涙を浮かべた。


「あの時好きだった人には

家庭があった。

それでも私には初めての人で・・

結局遊ばれてたって気づいた。

絶望した・・・

どんなに求めても求めても

確かなものなんて手に入らない。

今の私にはこの子だけ・・・」