「ずっと長い夢を見てた。

山形の海とコロの匂いがした。

いつも、一緒に海を見ていた。

いつも、満たされなかったけど

あの頃が一番綺麗だった。

自分の心が汚れてなくて・・・

あの海を忘れてた。」


「ああ、東京に来てから

お互い色んな事があったからね」


「そこに貴方がいた。

貴方は寂しかった私の側にいた

コロと一緒に・・・

貴方はあの時の光君・・・?

貴方も随分変わったけれど

私、東京に来て

きっと目が濁ってしまったのね?

最初貴方がわからなかった。

故郷を忘れようとしていた。

貴方が変わったんではなく

私が変わったのかもしれない」


「何も変わっちゃいないよ。

二人とも・・・」