美恵子が泣いていると

そこに母が入ってきた。


山形から上京したのだ。


「美恵子さん、泣くことはない

光はやっと自分の道を見つけた

もう心配する事はない」


「でも・・・・

あの人が窮地に・・・」


「すべて上手くいく。」


山形の母は、

しっかりした口調で言った。


母はいわゆる

先を見通す力があるのだ。


「あの子がお前さんのお腹の子を

自分の子として育てると決めて

心を入れ替え成功を収めたじゃろ?

その時と同じじゃ。

血とは繰り返すものじゃな。

光の決心も固い。

光はやっぱりわしの孫じゃな。」


そして、

ハハっと声を上げて笑った。