「はい。

麻酔をかけますよ。

いいですか?

リラックスしてね。

すぐ終わりますから・・」


にっこり笑う看護士。


薄れ行く意識の中で

実麗は叫んでいた。


<ごめんなさい。

貴方を守ってあげられなくて・・

でも、でも・・・

やっぱり、私の赤ちゃんを

殺さないで!>


実麗の目には涙が溢れだし

大きく差し出した手が

虚しく宙を舞った。


願いも虚しく涙と麻酔で

どんどん周りが

見えなくなっていった・・・