ある日、いつものように

砂浜に裸足で座って

夕陽を見ていると

女の子が犬を連れてやってきた。

一頻りじゃれあってから

薄茶色の小さな犬を海に放し

その子は何故だか

光の側に走ってきた。

その細いすねっこぞうには

転んだ後の擦り傷が

いっぱいあった。


物怖じもせず大きな目で

光に話しかけてきた。


「ねえ、犬、好きね?]


「ああ、犬好きや。」


「そう?よかったあ。

母さん来るまでいてもいい?」

と、チョコンと隣に座った。