実麗は亜美と病院の

待合室にいた。


心は決まっているものの

頭はさっきのお婆さんの

張り紙の言葉が駆け巡っていた


[蜉蝣の夕を待ち

夏の蝉の春秋を知らぬ・・・]


どういう意味だろう・・?


この子は今日

ここで殺されてしまう・・・


お腹の子が何かを

自分に訴えている気がした。


蜉蝣・・・・


儚い命・・・


蝉は子供を生んで

そのまま死んでしまう。

秋を待つこともなく・・・


実麗の心が震えだしていた。