実麗は嗚咽しながら

考えていた。


自分の将来のため

罪を消し去るため

この子を葬って

私は苗場についてゆくと

決めていた。


それが本当の幸せだろうか・・?


今決心がグラグラと揺らいでいる。


お腹に手をあてると

確かに生きようとしている

わが子の鼓動が聞こえる気がした


自分を選んで宿った命に罪はなく

すべてが偶然ではない気がした


苗場への愛の証は

この子を殺すこと。


そして光への愛の証は

この子を産むこと・・・。


両極の選択が目の前にある。

タイムリミットは明日だ・・・