実麗は誰もいない

公園のベンチにボッと

腰掛け、今までの事を

思い返していた。


浩一郎との出会い。

慣れない職場でも

あの人の笑顔があったから

頑張ってこれた。

残業の後初めて誘われた日。

それは、生まれて初めて

作ったチョコのお返しの

ホワイトデーだった。


「晩飯、まだだろう?

付き合ってくれるかい?」


飛び上がる程嬉しかったのを

覚えている。


ここにいるのは

その人の子かもしれないのに・・・