実麗に愛がない訳ではない。

でも今は一時も気が抜けない

状況なのだ。


しかも、

自分の子である保障はない

この時期にこんな

隙を付かれるとは・・・!


正直動揺していた。


実麗との婚約は

社内でも周知の事実である。

今更、取りやめるにも

何かと面倒なことになる。


考え込んでしまって

実麗を追うのが一歩遅れ

見失ってしまった。


携帯も持たぬまま

どこへ行ったというのだろう?


実麗がまさか

自分を裏切っているとは・・・

事実を目の前にしても

絶対に信じたくなかった。