母の目は涙で濡れているように

見えた。


「貴方にも沢山の愛が

注がれますように・・・・

光、人を愛しなさい。

愛には愛で返しなさい。

きっとその愛は報われるから」


そう言って光の頬を

手のひらでそっと包んだ。


この暖かい手が俺を

ずっと支えてくれた・・・

どんな時も・・・


人を恨まず、愛し続ける

この人の愛情が・・・


光は月明かりが後ろから

注してくれていることに

感謝した。


なぜなら・・・

堪えきれずに一筋の涙が

密かに頬を伝っているのを

母に見られたくなかったから。