母は窓から零れる

薄紫色の光の中で

眠っているように見えた。


そっと近づいた。


「光。来てくれたの・・?」


背中を向けていた母が

細い声で喋った。


「母さん、起こしちゃった?

ごめんね。」


「ううん。

こっちへおいで。」


母は窓際へ来るように言った。

光は母の顔を見るのが

とても恐かった。