ガヤガヤ


いつもの昇降口。
今日は一段と、たくさん人がいる。

なぜって?
だって今日は……


「あっ、美緒おはよー」

「おはよっ!!」

「美緒は何組だった?」


クラス替えだから。


私、佐藤美緒は今年で中学三年の…受験生です。
三年間続けてきた、テニス部もこの夏で終わってしまう。


「美ー緒、聞いてる?」

「へっ!?あっ、ああ4組だよ♪」

「やった!!いっしょー!」


この子は、あたしの小学生からの親友の高橋渚。
あたしよりも背が高くて、細くって……あたしが憧れてる女の子でもある。



「…あ、俺4組だ。」


渚と喋っていたら、あたし達の少し後ろのほうでそんな声が聞こえた。
振り向いてみると、そこには、微かな風に髪がなびいている男の子がいた。


「ねぇっ、湊哉くんも同じクラスだって!…よかっね、美緒!!」

「…うん!///」


湊哉くん……小野湊哉はあたしの好きな人だ。
中一の頃からの片思いで、今までずっと湊哉くんしか見てこなかった。


湊哉くんと同じクラスなんて…夢みたい。
これからが、楽しみだな!