世界が変わる瞬間はある

古くからの友と

海を見た帰り道

友の運転する車で

県境のトンネルを抜けたとき

俺たちは白い発光に包まれた

それは、夕陽の光だったのだ
けど…

暗闇が薄く白く透けていく

世界が真っ白に輝く発光と化


俺たちは、子供のように声を
あげた

あのとき、世界は変わったんだ

ずっと…

夢を見つづけてもいいと思った
んだ

今は

遠くの街で一人暮らす友よ

元気だよな?

傷ついたっていい

泣いたっていい

倒れたっていい

少しだけ、少しだけ…

立ち上がる力が残っていれ


それでいい

だって…

俺たちが包まれた発光は

長い暗闇を抜ければ

必ず光に辿り着けるという

証明だったのだから…