リセ…

キミは

今年の春から

丘の上の工場で

働きはじめた

久しぶりに

会ったキミは

めずらしくワガママで

「少し、寒い」と言って

ボクの着ていたGジャンを

奪っていった

防波堤の上を

両手広げて

バランスをとりながら

歩いていく

リセ…

振り向いた

キミの笑顔が

何だかとても

儚げで

見つめていると

愛しくて

ボクの感情は

ためらいなく

あふれてしまうんだ

リセ…

こんなこと言うと

笑うだろうけど

こんな小さな街でも

一度つながりが切れたら

二度と会えない

そんな気がする

キミの声の響きも

キミの顔の形も

少し時がたてば

忘れてしまう

そんな気がする

だからリセ…

ボクには

キミとのつながりが

一番大切なんだ

だからリセ…

今のまま

このまま…