「 ……先輩は、先輩です 」
「 へえ、口答え出来るようになったんだ? 」
下を向く私を、覗き込むようにしながら先輩が言った。
先輩の声が……甘いんですけど?
もしかして、悪魔のスイッチ入りました…?
「 帰りましょっか 」
「 帰すわけ無いでしょ? 」
先輩は立ち上がった私の腕を掴みグイッと引っ張った。
私は先輩へ倒れ込み、抱き締められる形になった。
「 先輩っ……人来たらどうすんですか…? 」
「 さっき鍵閉めたから来ないよ? 」
耳元で話され、いちいち体が反応してしまう。
心臓がどんどん早くなっていくのが自分でも分かった。