「 亜子帰ろ〜 」
放課後になり、鞄を持って亜子の隣に立った。
「 ごめん、委員会の仕事ある 」
あれ、亜子の入ってる委員会今日集まりあるっけ?
「 待ってよっか? 」
「 いいよ、先帰って 」
「 そっか…じゃあ、ばいばい! 」
亜子に笑顔で手を振って教室を出た。
最近亜子と帰れる日少ないなあ…
今度カラオケ一緒に行こーっと!
「 隼人〜! 」
「 わっ 」
後ろから走ってきた人と肩がぶつかり転びそうになった。
きつい香水の香りと、響く高い声。
後ろ姿を睨みつけ、「謝れよ!」と心の中で呟いた。
そして、女の人が走って行った先には…………先輩が居た。
「 隼人〜今日どっか行こおよお 」
何あの女。絶対猫被ってるでしょ!
「 やだよ、面倒臭え 」
低くて、機嫌が悪そうな声。
あんな先輩の声、聞いた事無い。
いつもはあんな低い声出さないのに…