何で……、何で嫌だと言えないの?

何で、手を離してって言えないの?




「 嫌なら、嫌って言いなよ 」




ニヤリと笑い、低く、甘い声で私の耳元で囁いた。

ビクッと体が反応する。




「 付き合ってみる? 」

「 ………絶対好きになんないから 」




首を横に振れなかった。

拒否を、出来なかった。


好きになりたくないのに抵抗が出来なかった。




こんな、自分に戸惑って半泣き状態の私に先輩は、









優しく触れるだけの、キスをした。