今はまだ、強がっていられるけど、

この先、私が先輩を好きにならない保証は無い。



だから、余計に怖い。

いつか、本当に好きになってしまいそうで。

いつか、意地を張れなくなってしまいそうで。




「 何で?嫌なの? 」




私の手を掴み、先輩は上目使いで言った。

………………可愛いっ。

…なんて言ってる場合じゃなくて、




「 悪魔なんて好きになりたくない 」

「 悪魔じゃないよ、王子様でしょ? 」




ゆっくり立ち上がり、私を笑顔で追い込む先輩は

やっぱり王子様みたいにかっこ良かった。