ケータイを
耳にあてると
留守電の
アナウンスが
流れてる

「慎吾…」


先輩は
逃げる私を
にやけながら
追ってくる


家の中だし
私の
速さじゃ
捕まるのに
時間は
かからなかった


「やめっ…て
ック」

ポロッ
恐怖で
涙が…


「イヤーッ」


その時

チャラリラ~♪


私のケータイが
なった

急いで
通話ボタンを
おした

「もしもし
梨乃どうした?」


「慎吾
たすけて…」



必死に
それだけ言えた

先輩に両手を
ふさがれ
ケータイが
落ちた


先輩は
まだ
通話中の
落ちたケータイに
向かって


笑いはじめた