お母さんは
少し黙って


「本当に
産みたいの?」



その声は
優しくて
意外な
お母さんの
反応に
驚いたし
うれしかった


「うん

産みたいの
純の
赤ちゃん」



お母さんに
抱き着いて
すごく泣いた
お母さんも
私を強く
抱きしめて
泣いていた



「お母さんも
梨乃の気持ち
わかるわ
だけど
あなたは
まだ
16才なのよ」


「わかってる
でも
この子を
下ろすなんて
絶対に
できない」



「…そう
確かに
大切な命だけど
梨乃が
何かを
捨てる事に
なっても
いいの?
覚悟は
できてる?」


「うん
この子を
守る為なら
なんでもする」


お母さんは
私の顔を見て
うなずいた