とめる純を
振り払い
ホテルを
とびたした


「梨乃
待てって」


バンっ

ドアを
いきよいよく
閉めて走った

涙をこらえて
ホテルをでて
すぐに
タクシーを
ひろった


タクシーに
乗った瞬間
ドバーっと
涙が
こぼれ落ちて
大変だった

運転手さんは
黙っていたけど
きっと
びっくりしたと思う


家についてからも
涙は止まらず
疲れ果てて
そのまま
眠って
朝を迎えた


ケータイを
みたら
純から
いっぱい
電話が
かかってたし
メールも
入ってたの


―梨乃
電話にでて―


―梨乃
話しきいてくれ―


―梨乃…
お願いだよ―


―梨乃…―