王は胸倉を掴む 俺には動じる事なく 言葉を続けた。 「お前が 腑抜けてる間に お前の女は色の餌食に なってるんだよ。」 「鏡花が? 何言ってんだよ 意味わかんねぇ…。」 「なら、自分の目で 確かめるんだな。 色にも言ったが お前にも一応 忠告はしたからな。」 王は俺の手を払い 部屋を出て行った。 困惑しながら暫く 佇んでいたが 俺は家を飛び出した。