一瞬、空気が張り詰め
沈黙が流れた
けれど優しい言葉が
頭から降ってきた。



「鏡花、頭を上げて
もう大丈夫だから。」


顔を、ゆっくり
上げると焔君の優しい
笑顔が私を見ていた。



「ありがとう…」


「ほら、折角
最後のデートなんだから
楽しく行こうよ。」


「うん…」


焔君の優しさが
余計に私の
胸を締め付けた。