植物からは多くの野菜が栽培され、さらに薬草として重宝されるようにもなった。その反面、人の死をもたらす植物もあったが、多くの囚人の犠牲により毒性のある植物と分別されるようにもなった。

 「ケシ」の栽培は、国王の名の下で作るほど管理が厳しかった。それは鎮痛・麻酔作用のある薬草だった。大量に服用すると、中毒症状を引き起こした。 

 麻ヒモを使って母親たちは、子供を育てるのに「おんぶ」というものを実践した。抱きかかえるよりも、両手が使えるので母親は家事仕事が大変楽でもあった。

おんぶは、背中から伝わる母子の温もり、信頼感を大切にした。「虐待」という言葉などはなかった。

 あれは、「主」の化身であろうか。傷ついた白鳥が、湯気が漂う水たまりで羽根を休めていた。それは地の底から熱き水が湧いていた。

その後、その場所は「白鳥の湯」と呼ばれ、露天風呂が完備された入浴施設が完成した。無色透明で単純なお湯だ。「温泉」と呼ばれた。特に女性たちには美肌効果があって、大変喜ばれたようだ。

 神官が旅の途中、杖で大地をたたくと「主」のおぼしめしであろうか、湧き水があふれ出し、「井戸」が数多く作られた。地下水の発見だ。

この国も水に恵まれるようになった。川や湖の水を直接飲料するよりは、冷たくて美味しかった。ミネラルも豊富だった。

 羊の丸焼きをしていた時、その落ちた脂肪分が「灰(アルカリ類)」と結び付いた。その後、油脂を煮立て灰を加えると、それは「洗浄力」に優れていた。

灰を水に浸し、上澄みの水をすくい取ると、灰汁となった。炭酸やアルカリ類を含み、汚れを落とし、染色などにも用いられるようになった。