紀元前三三一年、ペルシャ帝国は「ガウガメラの戦い」で、マケドニア(バルカン半島南部の都市)のアレクス大王に敗れ、帝国は滅亡してしまった。アレクスはエジプト、ペルシャ、北インドまでの広範囲に及ぶ領土を獲得するのであった。

 エルサレムはギリシャ人に支配され、ユダ人はまたエジプトへ奴隷として連行された。アレクス大王は東西人種融合策を進め、敗退したペルシャ人でも管理職に登用した。またエジプトに、首都アレクサンドロスを建設させた。

 アレクサンドロスにあるファロス島には、ユダ人によって一つの灯台が建築された。高さ一二0メートルの大灯台である。

灯火室には、直系一メートルのレンズを使っていた。それは巨大な真球で、透明に研磨された水晶のレンズを使用していた。

 そのレンズは、光の強弱や方向も調節可能で、五0キロメートル先にいる人たちからもその光を識別できたらしい。

光源は、「石油」を燃やしたのであろうか。正直言って、自分は直接見たわけではないので、その光源は今もって不明だ。

この大灯台は紀元七九六年の大地震によって崩壊し、海の藻くずと化してしまう。そんな夢を、私は見てしまった。

 アレクス大王は、ギリシャ語を共通語(コイネー)として、ギリシャ文化とオリエント(東洋)文化を融合させた。

「ヘレニズム文化」を奴隷たちに強制した。この文化は、ローマがエジプトを征服(紀元前三0年)するまでの約三00年間も続いた。

 アレクス大王の死後(享年三三歳。紀元前百二三年)、広大な領土を有していたギリシャは、衰退の道をたどった。

弱体化したギリシャの領土は、エジプト、シリア(現トルコ)、マケドニア(ギリシャの北部)の四つに分割されることになった。