「お兄ちゃん…」


あたしはリビングの隅で一人で泣いていた。


あたしには今東京で独り暮らしのお兄ちゃんがいる。

お母さんのこと電話で伝えたらすぐ帰ってくるって言ってたけど…


ガチャ!!


「恋紗!?いるか!?」


「お兄ちゃぁん〜」


「ごめんな,辛いのに一人にさせて…」


「大丈夫だよ??後,一つお願いいい??」


「何でも言って??」


「あたしを抱いて下さい…あたし医者から聞いたとき,不安で怖くて震えて…」


ギュ…


え…??


「黙って今は俺に抱かれとけ。俺当分この家にいるから…安心して??」


「うん…ありがと…」


お兄ちゃんに抱かれて,だいぶ気が楽なった。


あたしは,お兄ちゃんと一緒に,長い深い眠りについた。