何度キスをしても、この唇が好き。


何度抱かれても、この腕が好き。


何度好きだと言われても、その声が好き。





大好き。




飽きることなんてない。




ずっとずっと


先生が好き。






先生は手を伸ばし、ラジオの電源をONにした。


流れてきた曲は、穏やかなクラシック。


私を抱きしめたまま、電気のリモコンを探す。





「電気、全部消しちゃったぁ」




先生は、ゆらゆら揺れるカーテンを開けた。





「今夜は月明かりの下で、直を愛すよ」



「先生……和人、私も和人を愛したい」








雲のない夜空は、月明かりで明るかった。


月がものすごい存在感を示していて、夜空の星達はその存在感に圧倒されて姿を消してしまったかのようだった。




満月ではない月。




あと数日で満月になるであろう月。




まだ未熟な部分がある私と先生だけど、いつか満月のように丸くなれるかな。