くりっとした目で見つめる先生。


たくましい腕の筋肉。


片腕をソファについて、腕立て伏せをするように私に顔を近づけた。




鼻の先が当たる。



「早く中田とたっくんが戻ればいいな。心配なんだろ?そばにいればわかる。直はずっとそのことが気になってるんだろ」



「うん。でも、あのふたりなら大丈夫だよね。きっと……」



先生は穏やかな表情でにっこりと微笑んだ。



「ああ、きっとよりを戻すよ。ちゃんと行けるよ!海」



私と先生、ゆかりとたっくんの4人で海へ行く約束、実現するはずだよね。



「この別れがきっとふたりを強くしてくれるね」



「ああ、俺と直みたいにな。たっくんには、早くより戻さないと誰かに取られるぞって言っておいたから、そろそろ会いに行くんじゃないかな」




壁にかかったカレンダーを見つめる先生。



私もカレンダーを見ようとして、顔を横に向けると、グイっとあごを掴まれた。



「俺だけを見てろぉ~」



うん。


私は、先生だけを見てるよ。


これからもずっと、先生だけを見てるから。