「今、お前がボーっとしている間に、卒業旅行の行き先決まったから」




ニヤニヤするみんなの顔を順番に見た。



「へ?どこ?」



みんなはニヤニヤしたまま、行き先を教えてくれなかった。



しばらくみんなは顔を見合わせながら、黙ったまま笑いをこらえていた。





「北海道!!!」



要君は、いたずらっ子のような笑顔でそう言った。




「チョー邪魔だと思うけど、便乗しちゃっていい?」



あゆみはそう言って、テーブルの上のパンフレットを片付け始めた。



そして、北海道行きのパンフレットだけを残し、咳払いをした。




「私達の卒業旅行、北海道で良い人~!!」



あゆみの声に……


みんなが元気良く手を挙げて、なぜだか私も手を挙げた。