涙が溢れた。
抱き合いながら、お互いの涙を拭き合った。
やっぱり私達は、気が合うね。
泣きながら、最後のキスをした。
「好きなのに……どうしてこんなことになったんだろう。別れたくねぇよ……怖いよ…」
「うん……怖いね。たっくん……別れるの、怖い……ね」
「ずっと一緒にいたから…… 実感が沸かねぇんだ」
「うん…… ひっく……別れたくないよ。たっくん、私別れたくない。ずっと……一緒にいたいよ」
人通りのない路地の片隅で……
私とたっくんは最後の時間を過ごした。
「俺、ゆかりがいなくて生きていけるかな」
「大丈夫だよ、たっくんは」
「そうかな?」
「私は無理だな。たっくんがいないと寂しいよ」
「そうか?ゆかりは大丈夫だよ」
「たっくんのこと、本当に好きだよ。一生好きだよ」
「俺も。ゆかりのこと、ずっと大好きだよ」
別れの最後の言葉が『大好きだよ』なんてね。
変なふたり。