「ゆかり…… 大丈夫?今日、夜会える?」



先生のことも心配だけど、ゆかりのこともほっとけない。


ゆかりは仕事が早く終わったら、連絡すると言った。


私は、心がふわふわ浮いたような状態で、夕食の煮物を作った。



ゆかり……

大丈夫じゃない声だった。




何もできないのかな、私。



たっくんはたっくんのままなのに、社会人になると変わってしまうのかな。




先生と話して欲しい。


たっくん、きっと悩んでる。




先生と話せば、何か変わるんじゃないかって思った。



でも、先生は私にとって『スーパーマン』のような人だけど

本物のスーパーマンじゃない。




胃が痛くなったことで、実感した。






-ピンポーン




「ただいまぁ~!胃カメラ痛かったから、なでなでして」




帰って来た先生は、子供のように私に甘えてきた。


私が先生の頭をゆっくりと撫でると、今度は私の頭を先生が撫でてくれた。



最近、毎日少しずつ先生は日に焼けて黒くなる。


私は毎日そんな先生を見て、ドキドキする。



朝よりも少し黒くなって帰ってくるから、いつもドキドキしちゃうんだ。