彼女とか恋愛とかもうどうでもいいくらいに、仕事が大変な時期ってのはあるのかも知れない。



「会って話すか?夜、うち来るか?」




『今日は、飲み会なんです…… 毎日飲み会ばっかりで、残業もあって…… 今は、仕事抜け出して、ちょっと休憩してるんだけど。俺、もうだめかも知れない』




たっくんの声からは、もう限界を超えているような感じがした。




「やりたくもない仕事で疲れて、付き合いも大変なんだろ。余裕もないんじゃないか?たっくんは真面目だから頑張り過ぎるんだよ。あのいい加減なたっくんはどこ行った?適当に力抜いて、うまくやれよぉ」



たっくんは少しだけ笑った。


でも、俺の声は心まで届いていないようだった。




『ゆかりがね…… もうだめだって言うんだよ。俺達、もう別れることになる。あんなに好きだったのに』



中田の話も聞いていたから、複雑だった。



中田もたっくんが好きで、たっくんも中田が好きで……


でもうまくいかないときがある。