帰りの車の中で、先生はすっかり元気になっていた。


どこかでデザートでも食べるか?と言ってくれたけど、断った。



早く家に帰って、先生をゆっくりさせてあげたいと思った。





私が想像しているよりも、ずっとずっと……先生は大変なんだ。



いろんな荷物を背負っているのに、私がその荷物を重くしてしまった。





高校時代、先生が言ってくれたセリフ。


“俺が直の抱えている荷物を半分持ちたい”






先生はいつも私の心の荷物を持ってくれた。


半分どころか、全部持ってくれようとした。




だから、私はいつも笑っていられた。


先生が支えてくれたから、今の私がいる。





それなのに、私は……


先生の隣にいることしかできなくて、先生の荷物を持ってあげられない。





こんな奥さんでいいのかな。


自信がないよ。