「山村さん、あとで2人で話したいんだけど……」



金森が山村の顔を覗き込むようにして、声をかけた。



「はい……」




力なく答えた山村。



山村は金森が好きだったから、ショックも大きいだろう。





最後の日、俺はどんな気持ちで金森に『お疲れ様』って言うんだろう。




残りの実習、少し楽しみになってきた。





変わっていく金森と、変わっていく生徒。



やっぱり、向き合うことって大事なんだと心から思った。






生徒達の机の上のプリントが舞い上がるほどの風が窓から吹き込んでくる。






一歩前に進んだ金森。





クラスの生徒、


そして、


俺自身。









―先生目線END―