「金森…… 今の気持ちを絶対に忘れるな。お前がしたことは、こんな簡単に許されることじゃない。このまま教師になれるとは思うな。そんな甘くはない」




俺の言葉は、金森の心に届いた。


今、そう思えた。




実習が始まってから、いつも金森への言葉は一方通行だったような気がする。





今、本当に俺の想いが届いたんじゃないかと……




「私、変わりたいです。ここにいるみんなに出会えなかったら、私は教師になりたいと思わないままだったと思う。復讐の為に教師を目指していたなんて最低だけど、私……教師を目指したいって思います」




遅いよ。

まじで……



もう実習も終わりだぞ?




仕方がない。




クラスのみんなの瞳がキラキラしていて、いい顔をしているから、俺も金森を受け入れることにしよう。





今回は生徒にとっても、俺にとっても本当に勉強になった。


金森のこと、きっといつまでも忘れられないだろうな。




生徒を教える立場の教師だって、人間であって、弱い部分を持っているし、心に傷を抱えていることもある。