男子生徒が続く。


しっかり者で、今回も金森がクラスに馴染めるようにと努力していた生徒だった。




「最初は、俺達も金森先生のこと信頼してたし、明るくて楽しい人だと思ってた。でも、だんだん新垣先生のストーカーみたいに思えてきた。新垣先生の写真ちょうだいとか、新垣先生の奥さん知ってるか、とか俺達生徒よりも新垣先生のことばっかり考えてるように見える」




「写メとかこっそり撮るのも、きもいし!」



「何しに高校来てんだよ」





だんだん生徒の発言が過激になってきたので、俺は咳払いをした。


生徒達は、俺がさっき言ったことを思い出したようだ。





「金森先生の気持ちを聞かせてください」




クラスのまとめ役の佐藤がしっかりとした口調で言った。






金森は今にも泣き出しそうな顔をしていた。


目をぐっと閉じ、口元はかすかに震えていた。




頑張れ。


ちゃんと気持ちを伝えなきゃ……

金森は前に進めない。





「私…… 山村さんが嫌いだった」




いきなり衝撃的な言葉を発した。



教室が凍りついたように静まり返る。



山村は泣くこともできず、ただ呆然としていた。