「新垣先生!!」




振り向く。


少しホッとした俺。




目を赤くした金森が、うつむきながら立っていた。





「遅いよ、お前は……」




俺、ちょっと泣きそうになった。





「ごめんなさい。私……教室戻ります」




握り締めた両手。


金森のやる気が見えたような気がした。


あ、でもあんまり期待するとまた裏切られるから……




「おう。俺、教室にいない方がいいか?どっちでもいいよ」





「一緒にいてもらっていいですか……」




「ああ」




教室はさっきまでの空気が嘘のように明るく盛り上がっていた。



俺が顔を出し、金森先生が戻ってきた、と言うと生徒達が急いで黒板を消した。





俺は見た。



黒板には、『金森先生お別れ会について』と書かれていた。




泣ける。


俺の生徒……


最高じゃん。