新垣先生は、少し席を外すと言って、教室にはもういなかった。




「山村さん、お願い」



小さな声でつぶやいた。


山村さんは顔を上げなかった。





「金森先生について話し合いたいで~す!!」


「それがいいと思います!!」


「金森先生が新垣先生の自宅の番号をこっそり調べたことについて、話し合いたいです」




こんな展開になるとは思っていなかった。


私は……

もうすでにこのクラスの生徒ほとんどに嫌われているの?



必死で平常心を保とうとした。



「あの…… 実習最後の日にみんなで何か思い出を作りたいと思ってるんですが、バスケかバレーボールかどっちがいいですか?」




声が震える。


みんなの視線が怖くて私は黒板に向かった。



『バスケ バレー』


書き終えても、振り向くのが怖かった。


新垣先生助けてください。


私、いじめられています。


先生はいじめとか仲間はずれとか大嫌いなはず。




私を慰めて……