ゆかりは携帯の待ち受けのたっくんを見つめた。
先生はどうだったんだろう。
もし先生が社会人一年目に私と付き合っていたら……
先生はやっぱり昔から完璧な彼氏だったように思う。
仕事も大事だけど、私のこともちゃんと考えてくれて、フォローしてくれる気がする。
「私が欲しかった言葉はこんなんじゃないんだよ」
ゆかりはさっきのたっくんのメールを見ながら、ため息をついた。
ケンカがしたいわけでも、別れたいわけでもない。
気持ちがすれ違っていることが辛いから、言いたいことを言い合って、また前のように戻りたいだけなのに。
【今の俺じゃゆかりを幸せにできないのかな】
そのメールはひどいよ。
今の俺って何?
たっくんは今も昔もこれからもたっくんなのに。
ゆかりはたっくんじゃないとだめなんだよ。
たっくん以外の人とは幸せになれないんだよ。