体育教官室にいた男子の実習生は、別の先生にみっちりしごかれているようだった。




生活指導室へと戻った俺は、喜多先生の熱い視線に気付く。




「いや~!新垣先生、かっこいいな。俺はあんなこと言えないよ」



喜多先生はネクタイを結び直しながら、俺にすり寄ってきた。




「ちょっと!!喜多先生、どの部分から聞いてたんですか??」




「俺は妻を愛している!!ってとこから。なかなか言えないよ、そんなセリフ」




俺も鏡の前でネクタイを結び直す。



鏡に映る自分の顔が真っ赤になるのがわかる。






「あぁ~~~!!俺、そんなこと言ってないです!!」




俺も相当Sだけど、喜多先生はもっとドSだ。




歓迎会の最中も、耳元で何度も囁くんだから。



『俺は妻を泣かせたくない』とかさ。





でも、この状況を理解してくれた喜多先生が歓迎会の席を良い感じで決めてくれた。



女子は女子同士、男子は男子同士って。