「だ~め!!」




「え~!!どうしてですか?1回だけデートしてもらえたらあきらめます。それに、ごほうびがあると思えば、頑張れるんです!夢だったんです。ずっと……先生とデートするのが」





頭が痛くなってくる。


俺の苦手なタイプ。



直と正反対の性格。


相手のことを考えて行動する直と、自分の気持ちばかり優先させる金森。





「金森は教師になりたいんだろ?俺とデートできるっていう約束がなければ頑張れないのか?もっと真剣に教師を目指してると思ってたけどな」




これも、スルーされた。



金森は、俺の二の腕を掴んで振り回す。




「一生の宝物にします。もし先生とデートできたらその思い出を胸に、一生幸せに生きられるんです」




そこまで想ってもらえるのは嬉しいけど、俺はそんな立派な男じゃないよ。



今は、ただただ自分の愛する奥さんを泣かせたくないってことしか考えていないんだ。