「今、何話してた?」



「好きな人の話とか、彼氏の話とか……」




生徒の恋の相談には俺もよく乗るし、それは良いと思う。




俺は廊下の窓を閉めながら、歩く。



ちょうど夕日の綺麗な時間帯。




「金森は、自分のことまで話したのか?」




さっきの生徒の発言を聞けばだいたいわかる。



少し立ち止まって、夕日を見た。


と、言うか

夕日を見ているんじゃなく俺は直を見ていた。





ここから夕日を眺める時、心の中にはいつもアイツがいたから。






「新垣先生のこと好きだったって話しちゃいました」