「電話とか、会った時は今までと同じ?」



「うん。多分…… 会える日が少ないから、ホテルばっかり行ってる気がする。私とたっくんって、本当に愛し合ってるのかな」




ゆかりは、私の結婚式の時のスーツ姿のたっくんを待受画面にしていた。



たっくんに一目惚れしたゆかりは、いつもたっくんしか見ていなかった。


短大に入っても、合コンの誘いを断っていたし、今もたっくんだけを想っている。




たっくんだって、同じようにゆかりを想っているんだと思う。


でも、たっくんはちょっと軽い一面もあって、ゆかりを何度も泣かせたことがあったっけ。


今ではもう笑い話になっているけど、キャバクラに通ったり、他の女の子とメールしたりしていた過去がある。



ゆかりが不安になるのもわかる。



先生みたいに今まで何もなくても心配になるのに、過去にそういうことがあったら余計に心配になる。




ゆかりはよく許せたなって思う。


私だったら許せたのかな。



想像もできないけど、自分が信じていた人がそんなことをしていたと知ったら……



また信じられるかどうかわからない。